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2008年02月17日

アレルギーっ子の入園・入学安心マニュアル



アレルギーっ子の入園・入学安心マニュアル



アレルギーっ子の入園・入学を考える時期になると、または入園・入学が間近になると、心の不安感が高まってきます。この著書は約1年前の2007年3月に発刊された本です。前半の内容は入園・入学マニュアルで、後半の内容は食物アレルギーの基礎知識です。

後半部分はアトピー増やしていこう「食べてもいいもの」の著書の抜粋+最近の考え方についてまとめてあり、巻末部分には、緊急時の覚書、連絡表、食物日誌、役に立つウェブサイト(ネットショップ、情報サイトなど)、入園・入学チェックリストが掲載されています。

前半の入園・入学マニュアルでは、園や学校との対応の仕方、具体的なスケジュール、準備する資料の例、緊急時の対応や事前準備などを実際の事例を紹介しながら書いているので、わかりやすいと思います。給食問題が中心ですが、運動や遊び、薬の扱い方、プール、掃除や動物との触れ合いなどの注意点など、集団生活では欠かせない内容も含まれています。アナフィラキシーについては、説明・対処法などを含めて20ページにわたって書かれており、保護者や教育現場・保育現場に携わる方にはぜひ読んで欲しいなと思いました。

給食で問題になる点、先生のタイプで気をつける点など、色々納得できる内容がありました。保育現場の先生方に対しては、保護者が最も言われて欲しくない言葉リスト(暴言集)と、それに関する対応のお願いがありました。食事療法をしていく上で、親も悩みながら、子ども達に症状が出ないように工夫をしながら、日々暮らしています。

「加熱したら食べられるはずだ」、「薬で抑えておけばいい」、「食べて慣れさせろ」、「お母さんの思い過ごし」、「食べられないとかわいそうだから、食べさせてみて」など… このような傷つく言葉の代表例20個があり、もし、この本を読まれたら、注意するように心がけてもらえれば嬉しいなと思いました。

クラスのお友達や保護者の方へ、食物アレルギーの理解を求めるお手紙の例もありました。お手紙は書かないまでも、保護者会で理解と協力を願うときの参考にしたいと思いました。

参考になる体験談として、アレルギー発症の原因となる食品を見せると、「食べられないのに、かわいそうだから」と思い、実物を見せない場合、それが逆効果になる例が紹介されていました。牛乳が飲めないことを教えて、子どもがそれを理解していても、実際に間違えて配られた場合、牛乳を見たことがないので、口にしてしまうお子さんがいるそうです。それが原因で、アナフィラキシーを含む重篤な症状を起こした体験談を、この本以外でも読んだ記憶があります。あとで話を聴いてみると、「牛乳は飲んでいないけど、白いジュースは飲んだ」と言うそうです。私は子どもに食べられないものをできるだけ見せるようにしてきましたが、それも間違ってなかったのだなと思いました。

後半は食物アレルギーの基礎知識ですが、ここ4〜5年で、食物アレルギーの原因は複雑化してきているので、血液検査の結果だけで判断せず、実際に反応したかどうかを見ることが重要であることも例をまじえて書いていました。実際に症状が出ているのに、「数値が低いから食べてもいいよ」という指導を安易に鵜呑みすることにはとても注意が必要で、そういう実例がとても多いと書かれていました。症状の出方には、即時型(食べてすぐに症状が出て、血液検査に反映されやすいアレルギー)、隠れ型(食べて数時間〜数日後の発症で、血液検査に反映されにくいもの)があり、実際は隠れ型の方が即時型より多く、これらの2つが混ざり合って出ていることも多いので、血液検査の結果より、食物日誌の記録が重要とありました。

うちの子も隠れ型が多く、血液検査で反映されるものが少ないし、多くの方のお話を聞いても、最近は隠れ型がとても多いなと実感しています。そのために、食物日誌や問診で状況を把握して、血液検査、除去試験、経口負荷試験を繰り返しながら、実際に症状を発現させるアレルゲンを見つけていくことが重要だそうです。

食物アレルギーの指導は個人差が大きく、同じアレルゲンでも、ひとりひとり症状やその程度が違うので、この著書では受身の受診ではなく、医師と一緒に考え、解決方法を模索するのが重要なポイントと書かれています。親も主治医の1人であることを意味しているのだと思うし、アレルギーをはじめ、多くの疾患でも同じことだと思います。

日々、子どもの様子を見ている私たちも、多くの情報から取捨選択しながら、色々と勉強していかなくてはいけないなと思いました。そのためには、医師選びも重要だと書かれていて、食物アレルギーをきちんと診てくれる医師や病院の条件なども書いてありました。もちろん、住んでいる地区によっては、難しい条件もあるかもしれませんが、アレルギー専門医という資格にとらわれず、親の話をきちんと聴いて、子どもの症状をきちんと受け止めてくれる医師と出会えることが重要なのだと思います。またアレルギーとは長い付き合いになるので、親と医師の相性も重要だと思いますが…

入園・入学で多くの壁にぶつかることも多いですが、アレルギーっ子が増えている現状、アレルギーに対する理解が社会に少しずつ広まり、子ども達が少しでも安心して、通園・通学できる社会になればいいなと思います。


アレルギーっ子の入園・入学安心マニュアル―給食、体育、あそびから緊急時の対応まで (健康双書)

posted by chika♪ at 18:23| 食物アレルギー